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TORTURE −対女性拷問者−
第7章 三人目の"彼"
長は苛立っていた
「まだ手掛かりも掴めないのか!」
「申し訳ありません、会員にはかなり身分の高いかたもいらっしゃり、捜査も慎重にならざるを得ず……」
執務室を行ったり来たりする
「治安部が動いてから下火になっているとはいえ、被害者の数は確実に増えている……っ!
早く手を打たなければ……」
「お言葉ですが」
それを遮ったのは、側近の守矢だった
守矢透、叶姉弟の叔父である
「奴らの行動が下火になったのは、治安部のせいではないかもしれませんぞ。
いや……ある意味では治安部のせいですが」
「何?」
守矢は懐から何かを取り出す
「先日、我が姪に会ってきましたところ、胸に例のペンダントがありましたゆえ、こっそり探っていたのです」
「例の、とは……“守る会”の会員証のことか?」
「はい」
長の目の前に置かれたのは、ボイスレコーダーであった
『なかなか姿を見せないわねー……本当にあるの? “治安部の闇”』
『そんなに気になるの? 妬けるなぁ……でも本当だと思うよ。
だってただの一般市民が流した噂にわざわざ記者会見なんて開かないでしょ、普通』
『皆そろそろ我慢の限界よ。その男に罰を下すのは私だって息巻いてる』