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TORTURE −対女性拷問者−
第9章 背徳の交わり
「麗夜! 麗夜!」
彼の姿が見つからなくて、私は必死で名前を呼ぶ
「なんだ、随分騒々しいな」
後ろの暗がりから、麗夜は姿を現した
「どこ行ってたの! 最近来ないから心配したのよ」
「何処? 尋問に決まっているだろう。俺がすることはそれだけだ」
彼はそう言って冷たく嗤う
“いや……なんで……”
「なんでそんな顔するの!?」
綺梨はたまらず叫んだ
「いつもみたいに笑ってよ! いつもみたいに嫌味を言ってからかって……もっと楽しそうに!」
「何故だ。俺は拷問者で、ただの所有物。そんなことは赦されない」
トーチャーは凍りそうな声をしていた
“どうしてそんなことを言うの……貴方はずっと私の傍で…あれは全部……嘘?”
彼はその冷たい目で、何処か遠くを見つめている
「私を……私を見て!」
だが彼が綺梨を見ることはなかった
「麗夜!」
バシッ
腕を掴んだ綺梨の手をトーチャーは払いのけた
「俺は麗夜ではない……名はない。
もう……行かなければ」
「行くって……」
何も言わず綺梨に背を向け、彼はどんどん遠ざかってゆく
「待って!」
“!?
足が……動かない!?”
「麗夜! 麗……!」