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TORTURE −対女性拷問者−
第9章 背徳の交わり



「麗夜!」



綺梨は目を覚まし、天井に向けられた自分の手を見つめる



“夢……”



起き上がると、窓の外に目を向けた

月が光々と部屋を照らしている

初めて“麗夜”と呼んだあの日と同じ、眩しいほどの満月



“貴方は何処にいるの?”



彼から返されたハンカチを握り締め、綺梨は麗夜を想う

あの夜以来、二人は会っていなかった

何度あの場所に行っても彼はいない

ドアは堅く閉ざされ、外から呼んでも誰も出て来ない



“死”



そんな言葉を振り払い、綺梨はずっと彼を待っていた



“夢の中の貴方は冷たすぎる……”



最後に去ってゆく時でさえ、あれほど優しく−−−優しく、私を置いていったのに。



“温かい貴方に会いたいわ……麗夜”



ハンカチに顔を埋め、綺梨は涙を流す

愛しい人を信じながら−−−







「……なんだこれは」



トーチャーは困惑していた



「何って、咎人に決まっている。長からの依頼だ」

「監禁状態にあっても仕事はしてもらうぞ。

それだけがお前が“存在して良い理由”なんだらかな」



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