この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
TORTURE −対女性拷問者−
第9章 背徳の交わり
「麗夜!」
綺梨は目を覚まし、天井に向けられた自分の手を見つめる
“夢……”
起き上がると、窓の外に目を向けた
月が光々と部屋を照らしている
初めて“麗夜”と呼んだあの日と同じ、眩しいほどの満月
“貴方は何処にいるの?”
彼から返されたハンカチを握り締め、綺梨は麗夜を想う
あの夜以来、二人は会っていなかった
何度あの場所に行っても彼はいない
ドアは堅く閉ざされ、外から呼んでも誰も出て来ない
“死”
そんな言葉を振り払い、綺梨はずっと彼を待っていた
“夢の中の貴方は冷たすぎる……”
最後に去ってゆく時でさえ、あれほど優しく−−−優しく、私を置いていったのに。
“温かい貴方に会いたいわ……麗夜”
ハンカチに顔を埋め、綺梨は涙を流す
愛しい人を信じながら−−−
「……なんだこれは」
トーチャーは困惑していた
「何って、咎人に決まっている。長からの依頼だ」
「監禁状態にあっても仕事はしてもらうぞ。
それだけがお前が“存在して良い理由”なんだらかな」