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TORTURE −対女性拷問者−
第9章 背徳の交わり
サァァ…
“まさか生きている間に、男の前で逝くことがあるとはな”
キュッ
濡れた長髪を掻き上げ、トーチャーはフッと嗤う
“アイツも面白い嫌がらせを考え付いたものだ”
「トーチャー!」
その時、“アイツ”の声がした
「ほぅ……直接ご依頼とは珍しいな」
“だがなんでいつもこのタイミングなんだ”
ゆっくり身体を洗い、咎人の汚れを流したいというのに。
“いや、今更俺に穢れも何もないか”
「早くしろ!」
響く怒声に、トーチャーは素早く身仕度をして廊下に出る
「お待たせ致しました、長」
ふざけた態度に長はぎろりと彼を睨む
「外での仕事だ」
「奴らが動いたのか?」
「いや、まだ詳しいことはわからないが……多分違う」
長は悔しそうに否定した
「だが残念なことにお前にしか出来ないことだ」
「証拠がないんだな」
すべてを見透かしたようなこの態度は、昔から気に食わない
「見張りはつけるからな!」
「ああ、分かってる。好きなだけつければ良いさ」
トーチャーは笑って準備を始めた
“久々だな”
また外の世界に触れられる
あの解放感は、もう味わえないが−−−