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TORTURE −対女性拷問者−
第10章 逝き地獄
尋問は、まだ始まったばかりだ−−−
時は少し前に戻る
目的の女を追うトーチャーを、更に追う綺梨
その姿を二人の男が目撃していた
「お、おい、あれって……」
「あぁ? どうした?」
見張りの一人が、ぼうっと欠伸をしていたもう一人をこづく
「姫様じゃないか?」
「あー? こんなとこに姫様がいるわきゃないだろ。寝呆けてんのか」
「ほんとだって! よく見ろよ!」
仕方なく、相方が指した方向に目を凝らす
「……まじかよ」
「どうする?」
もう一度よく確認した後、見張りは面倒臭そうに舌打ちした
「どうするもなにも、声掛けるしかないだろ。あんなとこに一人でほっとくわけにもいかねーし……」
「あ、トーチャーが動いたぞ!」
路地裏に消える彼を見て慌てる二人
「しょーがねーな! 俺は姫様につくから、お前は奴を追ってくれ!」
「了解!」
相方と別れた見張りは、綺梨の方に向かう
トーチャーが突如消えたからか、不思議そうにきょろきょろと辺りを見回していた
「ったく無防備だな」
いくら相手が高貴な身分とはいえ、ずっと振り回されっぱなしで腹が立つ