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TORTURE −対女性拷問者−
第12章 隠された真実
いつからなんだろう
いつから、あんなにも遠くなってしまったんだろう
それとも最初から近づいてなどいなかったんだろうか
あの笑顔は偽物で、私だけが勝手にそう思い込んでいたの?
ねぇ、教えて−−−
“いつからこんなに好きになってしまったんだろう?”
それは分かり切っている
あの日、貴方が初めてあの笑顔を見せてくれた日−−−
初めて貴方を“麗夜”と呼んだ日から−−−
“ううん、そうじゃない”
初めて出会ったその日から、何かを感じていた
あれは、偶然じゃないって。
責めを終えて部屋を出ていく彼と目が合った
あの妖しい笑みを思い出す
“運命だと思うことさえ、私の傲りだった?”
綺梨はベッドから立ち上がると、扉の横の壁に触れる
其処で彼が拷問をしたのは、遠い想い出
あの時でさえ、この前のような恐怖は感じなかった
‘俺は麗夜ではない’
その壁に額をつけ、声を押し殺して泣く
‘泣きたいなら泣け’
そう言ってくれたのも、貴方だったのに−−−
「…ぅっ……く…」
“信じたくない”
全て偽りだったなんて。