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TORTURE −対女性拷問者−
第12章 隠された真実
「違うよ」
彼は言った
「普通はああやって外で遊ぶんでしょ? 地下に閉じ込められたり、女の人を責める勉強したり、しないんでしょ?」
聞かれれば、そうと答えるしかなかった
「なんで僕は……僕が咎人の子だから? 僕の母親は……」
自分の境遇に気付いて涙を流すのを見て言葉に詰まる
“貴方は不幸なんかじゃない”
とはとても言えない
“貴方より不幸な人もいる”
なんて言ったところでどうしようもない
幸不幸は人と比べて決まるものなんかじゃない
「辛い?」
私はただそう聞いた
「……」
無言でいるので、続けて言う
「外の世界を見て辛かった? だとしたらごめんなさい。私が余計なことしたから……」
「あんたのせいじゃないよ!」
トーチャーは思わず体を起こした
「僕、楽しかったんだ。初めて外に出て、普通ってこと知って、楽しかったんだ!」
「ならそれでいいじゃない」
彼の短くなった髪を優しく梳く
「貴方が幸せかどうかは貴方自身が決めること。幸せを見つけるのはどうしても難しいように思えてしまうけど、自分が不幸だって思うのは哀しいことでしょう?」