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TORTURE −対女性拷問者−
第12章 隠された真実
「この…っ……悪魔が! ここでしか生きられないくせに口答えするな!」
そのあまりの言い様に、止めなければと口を開いたが−−−
「ふん」
トーチャーの嗤いに、体が凍りついた
“何、あれ……”
それは本当に、悪魔の微笑−−−
人間の心の全てを見透かし、嘲笑うような−−−
「真梨子」
次の瞬間、彼の顔はもとの無邪気なものに戻っていた
急に手を振られて戸惑う私
「ま、真梨子様っ! いつからそこに……」
見張りは慌てて敬礼をする
「あの……いえ、少し二人きりにしてください」
「は」
見張りが下がっても、私は暫く黙っていた
何故今、彼と二人きりにしてしまったのだろう
話すことが見つからない
先程の感覚が彼を見ることを拒んで、目がやり場を探して彷徨う
「どうかしたの?」
私の不自然な動きに気付いたのだろう、トーチャーは少し不安そうな顔でこちらを見ていた
「ううん、なんでもないわ。ちょうど今そっちに行こうかと思ってたのよ。
明日は満月なんだけど、ここ十年で一番大きいらしいからお月見にでも誘おうかと」