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TORTURE −対女性拷問者−
第12章 隠された真実
一息に言い終わると、最大限の作り笑いで
「じゃあね」
と言って窓を閉めてしまった
「ハァ…」
息が止まるかと思った
心臓の鼓動が耳の内側を突く
“どうしてこんなに震えてるの”
さっきの嗤いはなんだったのだろう
何も言わなかったあの子の、あの冷ややかな目が何か言ってきた
‘そうやって憎んだり憐れんだり、自分より下の相手がいないと不安なんだろう?
勝手に悪魔と呼んで勝手に怯えたり、優しくして善人になってみたり、ご苦労様’
私は激しく首を振った
そんなことは思ってない
“そう……言い切れる?”
心の隅で彼に対する恐怖と自分への不信感がちらつく
コンコン
「失礼します。姫様を……」
「あ、ええ。ありがとう」
娘を抱き、その安らかな寝顔をじっと見つめる
“会いたくない”
トーチャーの本心がどんなものだろうと、あの目を向けられたら堪えられない
「明日……」
明日は、満月−−−
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黄昏時
日が沈み、月が東から姿を現す頃−−−
その紫色の空の下、真梨子は庭に用意させたテーブルについていた