この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
TORTURE −対女性拷問者−
第12章 隠された真実
「何事だ!」
長とその側近二人が部屋に飛び込んできた
「真梨子!?」
それを見て逃げ出そうとした見張りを、守矢の放った弾丸が貫く
「真梨子! 真梨子!」
長は走り寄り、蒼白な妻に必死に呼び掛けた
「真梨子……」
トーチャーも共に名前を呼ぼうとするも、長に鋭い目を向けられた
「コイツを地下に閉じ込めろ! 後でたっぷり……」
「あなた……」
真梨子の弱々しい声が彼を呼び止める
「お願いです……この子を…責めないで……赦さなくてもいいから…せめて……」
私が望んだことだけは、と目に涙を浮かべる
それは痛みからか哀しみからか
「お前は最後までアイツを……っ」
私ではなく−−−
“そうじゃ、ないのよ……”
真梨子はほんの少し首を振り、微笑んだ
もう声にする力はない
“誰よりも、あなたを救いたかった”
「真梨子!」
母を失った赤子の鳴き声が響く
月明かりの下、長は優しかった妻を強く抱き締めていた−−−