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TORTURE −対女性拷問者−
第13章 最高の快楽
パタン
綺梨は震える手で日記を閉じた
“トーチャー”が何者か
そして彼と母には深い繋がりがあった
父は知っているのだろうか
母の願いを。
忘れていないだろうか
母が死ぬ前に僅かでも父に感じていたもの
きっともう少しで二人は−−−
カタッ
綺梨は立ち上がり、窓を開けた
かつて母も見ていた景色
何度も訪れた場処
今は誰もいない
出来ることなら此処から飛び降りて、彼の許へ走って行きたい
でもあの扉が固く鎖されている限りそれは出来ず、それを解き放てるのは父だけだ
“今、何してる?”
綺梨は窓を閉め、父に−−−罪深い父に会うべく部屋を出た
「……え!?」
出ようとしたが、ドアは激しく錠の音を響かせるばかり
「どういうこと!? 誰か!」
「……綺梨」
聞き慣れた父親の、静かな声
「父様! 開けて!」
「奴のことを忘れるか?」
ドアを叩いていた手を止め、ぎゅっと握り締める
「そんなことの為に……」
「出来ないならこの部屋から出すわけにはいかない」
「横暴だわ!」
そう叫んだ娘の声が最愛の妻と重なり、長の肩がびくりと震える