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TORTURE −対女性拷問者−
第13章 最高の快楽
‘俺が会うのは咎人だけだ’
突然トーチャーの声が頭に響き、綺梨は目を見開いた
初めて出会った夜、去り際に彼が残していった言葉
そんなのは嫌だと、何度も思ってきた
でも今はそれが切り札になる−−−
バサッ
綺梨は跳ね起きると、部屋をぐるりと見回した
何かないか
何か−−−
「これだわ!」
机の上に立てられた一本の蝋燭
その傍に置かれたマッチ
それを手に取り、綺梨は勢い良く火をつけた
ボゥッ
そのまま蝋燭にも火を移し、カーテンとベッドの中に投げ入れる
“ごめんなさい、父様”
火はしばらく燻り−−−
“父様の気持ちは分かる。でも受け入れられない”
めらめらと燃え上がった
“ごめんなさい、母様。
私には父様を救えない。けどトーチャーは……麗夜は助けるわ”
一旦目を閉じ、気持ちを落ち着かせる
そして強く扉を叩いた
「守矢! 守矢開けて! 火が!」
切羽詰まったその言葉と、隙間から漏れ出す煙に守矢はすぐさま錠を外しにかかる
「姫様、ご無事で……!?」
扉を開けた瞬間、横を擦り抜けていった黒い影
「姫様!」