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TORTURE −対女性拷問者−
第13章 最高の快楽
“だから母様は父様を救いたがってた”
幾度も、幾度も綴られていた母の言の葉
「守矢、私は少し外に出る。娘を絶対に出すな」
「はい」
ドアの向こうで、父親の気配が遠ざかってゆく
「待って! 父様!」
どんなに呼び掛けても、その答えが返ってくることはなかった−−−
「……っ」
私の想いはこんなにも伝わらない
悔しくて
悲しくて
暗い部屋の中、綺梨は唇を噛み締めた
もう、あの窓しか出口はない
立ち上がって窓へ歩み寄る
「…そんな……」
いつの間に指示したのか
先ほどまで誰もいなかったその場所には、既に複数の治安部隊員が巡回していた
「酷い……」
ベッドに倒れこみ、溢れる涙を拭うように顔を埋めた
“母様の匂いがする……”
全くと言っていいほど知らない母の、懐かしい面影
それは何処か彼と似ていて−−−
「麗夜…っ……」
顔を沈めたまま、愛しい人の名を呼ぶ
「麗夜……麗夜……!」
“私、どうしたらいい?”
会いたい想いが募って、会えない絶望が広がって、綺梨の中を彼と過ごした日々が駆け巡る