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TORTURE −対女性拷問者−
第3章 聖処女
「……姫様! 綺梨姫様!」
「えっ?」
「大丈夫ですか? 到着しましたよ」
窓の外を見れば、いつの間にか学校の校門前に着いていた
「ああ、ありがとう」
運転手は一礼して綺梨を送り出す
“最近ぼーっとしっぱなしね……”
トーチャーのことが頭について離れなかった
'俺に名はない'
'俺が会うのは咎人だけだ'
あれは一体どういう意味なのか
忘れろと言われた以上、父親に聞くわけにもいかなかった
「きーり! 何考えてるの?」
「最近静かだよねー、恋煩い?」
教室に入ると友達が寄ってきて、綺梨の周りはすぐに賑やかになった
「おはよう。恋なんてしてないわよ」
姫である彼女がこんな面子の揃う学校にいる理由
それは、綺梨のたっての願いであった
小学校の時期はずっと家庭教師の個人授業で、それが嫌になった綺梨はある日父親に直談判した
「こんな窮屈な生活はもう嫌! 安全の為とかなんとか言って、私の気持ちも考えてよ!」
その結果、晴れて中学は普通に通うことになったわけだが−−−
それもまた、良家の子女ばかりを集めたお嬢様学校であった