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TORTURE −対女性拷問者−
第3章 聖処女
こんなところにいては世間知らずになってしまう
しかも、お淑やかにと言われるばかりで、窮屈なことに変わりはなかった
何度も父親と対峙し、ようやくこの普通の学校に入れたのだ
「今日の調子はいかがですか、綺梨姫様? なーんて!」
「もうっ、そういう事は言わない約束でしょ」
“お姫様”として扱われることが何より嫌いな綺梨
だから友人にも名前で呼ぶように頼んでいた
「そういえば、あの噂ってどうなってるの?」
「噂って?」
「ほら、うちの学校ばかり一年に二人以上死んでるってあれよ」
「ああ、そういえば今年はまだよね」
「それも、私たちの学年が多いし! 死にたくないよー!」
「貴方それ、半年前も同じこと言ってたわよ」
人が死んでいるというのに半分冗談ではしゃぎたてる同級生にも困ったものだ
「あんたは大丈夫よ、だって神茂亜美としゃべったこともないでしょ? 私なんて去年同じクラスだったからびくびくしっぱなしでー……」
「かみしげ……って誰?」
綺梨は知らない名前に首を傾げた
「知らない? 一般市民の中ではかなりのお金持ちで、その財産はそこら辺の貴族の比じゃないっていうの」
「でもそのお金、結構ヤバいやり方で稼いでるらしいよ」
「しっ、それは言っちゃダメだって。どこで誰が聞いてるかわかんないよ」