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TORTURE −対女性拷問者−
第4章 芥子の実
綺梨の活躍で、神茂事件はひとまず落着した
だが、彼女の尽力を知る者はほとんどいない
ましてや、その背後に潜む男のことなど誰一人−−−
「申し訳ありません、姫様。女性団体が道を塞いでいるようで……」
平穏な日常を満喫したいのに、周りではクラクションが鳴り響く
綺梨は顔をしかめた
「女性団体? こんなところで?」
「はい、“女性の貞節を守る会”という珍しく貴族中心に活動する団体です。最近特に活発になってきていて……。
なんでも、男性の絶対支配を脱し女性の人権を守ろうと訴えているようでございますよ」
「ふぅん……」
“女性の貞節を守る”ね……
“トーチャーなんて激しく非難されそうだわ”
「まぁ、中にはかなりタチの悪い方もいらっしゃるようで……っと、申し訳ありません。一使用人の身で出過ぎたことを」
「いいのよ、実際タチの悪い貴族なんていっぱいいるんだから」
“殺人でもしてるのなら話は別でしょうけど”
「それではこれより、治安部隊緊急会議を執り行う。礼!」
ザッ
邦の中心部、貴族の居住区の更に奥深くに治安部は存在する