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TORTURE −対女性拷問者−
第4章 芥子の実
長は一応女を調べ、生死を確認する
「この女は……」
「そんなことは後で聞く。
今、表に治安部隊、裏にはお前の見張りがいる。
私が合図したら表の者たちが突入するから、お前は裏から出ろ」
しかし、と長は苛立ちながら言った
「随分大人数に見られたものだな」
「心配ない。こいつらの大半は阿片漬けだ。何も覚えちゃいないさ」
長は軽い口調で言うトーチャーを睨み付けた
「行け。お前は後で私がたっぷり尋問してやる」
ピーッ
合図をすると、予定通りパブは騒然となる
こうして、拷問者の存在は再び闇に葬り去られた−−−
「何てことだ……!」
トーチャーから報告を受けた長は頭を抱えた
“自分を拷問した相手を思慕する者がいるとは……!”
それだけではない
トーチャーに恨みを持つ者も少なくはないだろう
そんな女たちがこれから次々に放たれるのだ
「記憶障害に詳しい医師などを今すぐ雇うべきだな……」
「フッ、“存在しない男”の為に難儀なことだ」
その言葉に長は怒りを剥き出しにする
「お前も今後こういうことがないように気をつけろ」
「ハッ、どうやって? 俺に記憶を消すような能力はないんだがな」