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TORTURE −対女性拷問者−
第5章 許されざる拷問具
「……ごちそうさま」
「まぁ、綺梨様……こんなに残して……やっぱり長が心配ですの?」
「ええ、まぁね……」
もう長が出掛けてから一時間がたっていた
“父様もそうだけど……トーチャーが心配だわ”
綺梨はテーブルに手をついて考える
‘人をいたぶって楽しむ悪魔!’
自分で頼んでおきながら、あんな酷い言葉をかけてしまった
“私……最低だわ”
そして、彼が言った言葉も彼女の頭から離れずにいた
‘そんなセリフは聞き飽きた’
一体どういう意味なのか
“とにかくもう一度彼に会わなくては”
父親の言うことなど関係ない
綺梨はトーチャーをちゃんと“存在する”人間として見ていた
「部屋に戻るわね」
廊下を歩きながら、綺梨は考えを巡らせる
“裏庭にいればきっと戻って来るけど、いなくなると使用人がうるさいし……”
その時、階段を上がる綺梨の目に小さな窓が飛び込んできた
“あれは……”
踊り場の少し高い位置にあるその窓は、恐らく裏庭の方に面している
実は裏庭でトーチャーに出会ってすぐ綺梨はその場所が見える部屋を探したが、一向に見つからなかったのだ
いや、あるにはあるのだが−−−
その部屋には入れない