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父と娘の近親相姦日記 April fool archive
第1章 世界の終わり。始まりの二人。
しかし、彼らに準備されていた運命は、市長たちとは異なっていた。
それはつまり、選ばれた5万組のうちの一組に対するガイアの加護である。
そう、鉾浜市で生まれた5万組目のアダムとイブとは、父と娘の二人だったのだ。
なぜ二人が資格を得たのか定かではないが、この時代の人々と比較するまでもなく、旺盛な彼らの性欲が無関係ではないだろう。
「きゃあぁあああああっ!」
「うわあああぁああっあああっ!」
絶叫を上げ落ち行く中、それでも離れない二人の体。その隙間から柔らかな光があふれ出し、それはどうやら娘の子宮から発する光のようであった。
そして、その光に導かれるように集まってきた、無数の光の粒子が二人を包み込んでゆく。
光の粒はやがて完全な球体となって二人を囲う壁となり、押し寄せる無尽の土砂と瓦礫から二人の生命を守ったのである。
「なっ、なにこれ…光…」
「バリヤー?ってやつなのか?」
やがて二人は大量の土砂とともに真空の宇宙空間へと放り出された。しかし光の球に守られた彼らはそれでもその生命を保っている。
先ほどまでの轟音に包まれた環境と打って変わって、そこは静寂の空間である。二人の眼下には、太陽に照らされて青く輝く地球が視野一杯に広がっていた。
「すごい…これが本物の地球?あたしたち…宇宙に出ちゃったの?」
「ああ…それにしても綺麗だ…地球がこんなに光る星だなんて…」
「みんな…あそこへ行くんだ…」
「そうだ。きっとみんなあそこで幸せな世界を作るさ。」
「…うん…」
自分たちだけが取り残されたことに寂しさを感じているのか、娘は暗い面持でそう答えた。
「あっ、すごい数の流れ星。全部、地球に落ちてく…」
「あれは、脱出シェルターだよ。大気との摩擦で、あんなふうに光って見えるんだ。」
「柚子やお母さんたちもあの中にいるのね?」
「そうだ。あの様子なら、全部無事に地表に降りられるだろう。」
「よかった。」
皆の安全を父に保証されると、一つ安心を得た娘は、では自分たちはこの後どうなるのであろう、というところに考えが及ぶ。しかし、もはやそれを口にしようという気にはならなかった。この奇跡の状態がずっと続くとは思えないし、仮に続いたところで既に帰る処はどこにも無いと思えたからだ。
だが奇跡はそこで終わりではなかった。
それはつまり、選ばれた5万組のうちの一組に対するガイアの加護である。
そう、鉾浜市で生まれた5万組目のアダムとイブとは、父と娘の二人だったのだ。
なぜ二人が資格を得たのか定かではないが、この時代の人々と比較するまでもなく、旺盛な彼らの性欲が無関係ではないだろう。
「きゃあぁあああああっ!」
「うわあああぁああっあああっ!」
絶叫を上げ落ち行く中、それでも離れない二人の体。その隙間から柔らかな光があふれ出し、それはどうやら娘の子宮から発する光のようであった。
そして、その光に導かれるように集まってきた、無数の光の粒子が二人を包み込んでゆく。
光の粒はやがて完全な球体となって二人を囲う壁となり、押し寄せる無尽の土砂と瓦礫から二人の生命を守ったのである。
「なっ、なにこれ…光…」
「バリヤー?ってやつなのか?」
やがて二人は大量の土砂とともに真空の宇宙空間へと放り出された。しかし光の球に守られた彼らはそれでもその生命を保っている。
先ほどまでの轟音に包まれた環境と打って変わって、そこは静寂の空間である。二人の眼下には、太陽に照らされて青く輝く地球が視野一杯に広がっていた。
「すごい…これが本物の地球?あたしたち…宇宙に出ちゃったの?」
「ああ…それにしても綺麗だ…地球がこんなに光る星だなんて…」
「みんな…あそこへ行くんだ…」
「そうだ。きっとみんなあそこで幸せな世界を作るさ。」
「…うん…」
自分たちだけが取り残されたことに寂しさを感じているのか、娘は暗い面持でそう答えた。
「あっ、すごい数の流れ星。全部、地球に落ちてく…」
「あれは、脱出シェルターだよ。大気との摩擦で、あんなふうに光って見えるんだ。」
「柚子やお母さんたちもあの中にいるのね?」
「そうだ。あの様子なら、全部無事に地表に降りられるだろう。」
「よかった。」
皆の安全を父に保証されると、一つ安心を得た娘は、では自分たちはこの後どうなるのであろう、というところに考えが及ぶ。しかし、もはやそれを口にしようという気にはならなかった。この奇跡の状態がずっと続くとは思えないし、仮に続いたところで既に帰る処はどこにも無いと思えたからだ。
だが奇跡はそこで終わりではなかった。