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第9章 “ホントウノ　ココロ？”

未だに美恵は、瞬きの回数が通常に戻らない。





(こいつ、掃除用具入れの中で何言ってんだよ。私のことが好き？冗談。あんたは玩具(おもちゃ)だと、言ったのに)


何て思ったりもしているのに、口から声もでない。



(でも、豊が嘘をついていないとしたら・・・・・？)




(本当に、好きだったなら・・・？)




本気だと言うこともわかる。


本当に愛してくれているのだと、わかっている。



なのに、何故。素直に受け止められないのだろう。





唇を噛む。何も言葉が返せない。それに熱い。あぁ、隙ありすぎ。早く逃げちゃおうよ。今なら逃げられるよ？それに、今なら交わすことなく、豊に拳を入れられるよ。本当だったら、彼の精神と肉体を壊せられる。一石二鳥だよ。そしてまた遙と日常を暮らせばいいんだ。





「豊」





「私はあんたが嫌いだ」



「あんたが壊したものを、あんたを、私は一生恨み続ける」










「でも」














「　　　　　　　　　　」