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親友が襲われまして・・・・
第6章 弱点
しばしの静寂を打ち破ったのは、一人の男の声だった。

男はドアの前に立ち、美恵の姿を見ると、スタスタと彼女に近づいてくる。


その音に反応し、机に伏してした美恵は顔をあげた。


「やぁ。江口、居ないのかな?」

爽やかな笑顔で、眼鏡を光らせながら臆することなく彼女に話しかける男子生徒。

青少年らしく黒髪で、肌は白い方。

無論、学力は高い。
遙よりも、恐らく豊よりも。
そして、人気も、リーダーシップも。
演説も上手いし、教師からの信頼も厚い。それに生徒の全てを知っている。






この高校の生徒会長。

斎藤 拓也(さいとう たくや)。


「・・・・・・」

無視し、美恵が窓に目を移す。


「無視しないでよ」

「・・・規則破った覚えはないけど」

「乱闘騒ぎとか暴力とか。犯罪に近いけど?」

「いつものこと、って言え。遙なら言う」

「・・・・『不純異性交友』もかい?」

その言葉に、彼のほうに目を戻す。


彼は笑う。

生徒の前とは違う、笑顔。
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