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親友が襲われまして・・・・
第6章 弱点
ブレザーのポケットに入れたままのUSBメモリーが手にあたった。

その手は随分と汗ばんでいた。



「・・・・遙・・・・」


そう小さく呟いて、美恵は男二人に背中を向けた。

「逃げるのは嫌い、何じゃないの?やっぱり彼女を言い訳に使うのかな」


USBメモリーをぎゅっと握り締め、背を向けたまま美恵は言う。


「・・・・早く帰って宿題しないといけないから。止める理由、ある?」


ずっと黙っていた豊が口を開いた。


「彼処に来れるか?」

廃工場のことだ。当然、拓也が知るはずもない。


「・・・・・」


美恵は何も返さず、ドアの方へ歩いていった。


「仲が良いね。憧れるな。相川、仕事代理の件考えておいてね」


その声が聞こえているのかはわからないが、美恵は廊下を早足で歩いていった。


残された男二人は顔を見合わせて、狂気と殺意が溢れる笑みを見せつけあう。

たまたま通り掛かった女子生徒はそれを目撃して、「良い画・・・」と言葉を残した。



「僕、相川のこと気になってきたな」

「・・・・悪いがアイツの体は俺の物だ」

「いや、僕は心を貰おうってさ」
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