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続・捨て犬
第18章 最終章②・・・カフェ

言葉を詰まらせた俺は
おばさんの顔を見ることができないまま
ずっと
おばさんの湯呑を持つ手を
見つめていた
次の言葉が・・・見つからない
そんな俺を見かねたのか
おばさんの
優しい声が聞こえた
「何年前かしらねぇ・・
おばさん
カズマくんに言ったわよね?
相談にのるから
いつでも頼りなさいって。
今日はね
カズマくんが
やっと相談しに来てくれたんだと思って
おばさん喜んでるのよ?
なんでも
言ってちょうだい?
おばさんにできることなら
なんでも・・」
あれはいつのことだっただろう
俺が
エミを軟禁状態にした時か?
エミがケガをした時だったか…
いや
おばさんは
事あるごとに
力になるから相談しなさいと
言ってくれていた
それなのに俺は・・・
「カズマくん」
「・・はい」
「話しって…
エミちゃんの
歳のことじゃないの?」
そうです。
でも
それだけじゃ…ない。
「それも……
あります」
「そう」
「エミは……
昨日の誕生日で
やっと
二十歳になりました」
「………」
おばさんは
黙ったままうなずき
そして
少し目を潤ませ
目尻のシワを深めながら
優しい笑みを浮かべた
「ずっと騙してて
すみませんでしたっ」

