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続・捨て犬
第18章 最終章②・・・カフェ

「やっと教えてくれたわねぇ
嬉しいわ、おばさん。
でも
昨日教えてくれれば
良かったのに。
そしたら
お祝いしてあげたのに
ねぇ、お父さん」
おばさんは
嘘をついてた俺を
責めることなく
そんなことを言ってくれた
そして
おじさんの
「あぁそうだよなぁ」
という
優しい言葉が
俺の耳に届くと
俺の目から
一気に涙が溢れそうになって
もう
このまま
何も話さないで
帰りたい気持ちで
いっぱいになった
「かぁちゃん
話はこっからだ」
そのことを察したのか
店の隅から
萩原の声が聞こえた
「なぁカズマ
もう腹くくって
全部話せよ。
ここ乗り越えねーと
お前先に進めねぇぞ
エミちゃんもな」
「…わかってるよ」
静まりかえった
店の中で
俺の心臓の鼓動だけが
鳴り響いていた

