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【SS企画】みんななかよし
第11章 【SS企画】朱羽と木島が、陽菜の前でディープキスをする
Syuu side
見下ろす位置にいた俺が、皆から見下ろされる位置にいる。
なにも置いていない個室。
俺の他にいるのは、木島くんと陽菜。
……この気持ちをどう表現したらいいのだろう。
俺は、自分では耐久性はある方だと思っていたが、なにが嬉しくて企画の大トリに、俺が陽菜の前で! この、この…しゅうしゅうと俺の名前を呼んでいるような唇と!
「課長~。クリスマス会で課長が持ってきたターキー食べたら、唇がてっかてっかになったっす。これからの熱いキッスに、味わい深いっすね~」
ターキー味なんて、いらないから!
俺は反論の言葉も恐怖で出てこなくて、ただ頭をぶんぶん、とにかくぶんぶんと横に振り続けているが、木島くんには通じないらしい。
「ふふふ、課長緊張してるっすね? 大丈夫っす。俺に身を任せて下さい。俺が優しく、食べてあげるっす」
俺はぶんぶん、とにかくぶんぶんと頭を横に振り続けるが、木島くんの目が意味深になっていくだけだ。
誰か。
俺の代わりに、木島くんと熱いキスを交わしてくれるひといませんか。
クリスマスに、俺を救ってくれるクリスマスプレゼントをくれる。そんなサンタクロースのようなひとは。
子供の時以上に、切実にサンタの到来を願う。
だがサンタは来ない。時間が刻々と過ぎていくだけだ。