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【SS企画】みんななかよし
第11章 【SS企画】朱羽と木島が、陽菜の前でディープキスをする
俺がHELPを求めて、涙目で上にある窓を見上げると、誰もが気の毒そうな眼差しを向けるだけで、明らかに俺との間に壁を築いていた。
モモまでか。
俺はモモに向けて片手をあげ、ちょいちょいと指を振ってモモを呼んでみた。
モモは俯いたまま、そこから動かない。
やがてモモは、俺に深々とお辞儀をすると、すっとその顔を背けた。
「モモ……」
「朱羽、ファイトだよ。これがすんだらお開きだから。これをちゃっちゃと終わらせて貰わないと、いつまでもこの会が終わらないから」
「……っ」
「あたしも辛いんだ。朱羽の唇に、木島くんの残り香がつくの。……あたしも我慢、するから。朱羽の影に、木島くんがいるの」
どうして俺達は。
初めてのクリスマスを迎える俺達は。
こんな試練が与えられたのですか。
なぜ、木島くんなんですか。
なぜキスを、好きなひとの前で!
ぴりぴりぴり。
なにかの音が鳴り響いた。
『ここの司会は、俺様が担当する。では者共、前に出て位置につけ!』
俺達は床に書いてある線のところに立つ。
「課長、ドキドキするっすね」
木島くんには罪はない。
罪があるのは、俺と木島くんをこの順位で選んだ……いや違う。この企画自体を計画した作者だ。
作者が、ちゃっちゃとSSを書いていれば、クリスマスに、恋人達の聖なる日に、こんな目に遭わずともよかったのに!
「陽菜。この後は、覚悟して。俺の中の木島くんを消して」
「うん」
「簡単に消させないっす、課長、主任」
木島くんが悪い男の顔で笑った。
『全員、カウントダウン、10』
……地獄の入り口が今そこに。