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【SS企画】みんななかよし
第11章 【SS企画】朱羽と木島が、陽菜の前でディープキスをする
その時だ。
陽菜がなにもないところでつまづきそうになるから、陽菜の手を引いた俺と、やはり陽菜を助けようとしたのだろうモモの身体が斜めになって、近づいた。
そしてそれは、予期せず起こった。
「「「あ……」」」
俺とモモの唇が……重なっている。
驚いた目で見つめ合ったまま、驚きすぎた俺もモモも石のように動けない。ただ唇からぷるぷるとした相手の振動を感じるだけだ。
陽菜……。
横目で見た陽菜は、ムンクの叫び。
陽菜ではない、悦んだ声がした。
「ユウナちゃん、陽菜ちゃん。これが噂の、"りあるびーえる"!」
「これね、これなのね!! 男の子同士で、きゃーっ!! 陽菜ちゃん、ほらよく見ようよ。希少価値が高いものだって、シズちゃんが教えてくれたものよ」
痛いくらいの視線。そして、後から後からわらわらと増えるひとの気配。
「お前ら似た顔でそんなことするなんて、どこまでナルシストだよ」
「ハル兄、自虐的って言う方が近いよ」
「うっわー、香月。お前両刀かよ」
「モモくん。課長の唇、美味しいっすか?」
「おお、凄いぞ♡ あのふたりは実は好き合っていたのか。おや、ヒナはシュウの恋人ではなかったのか?」
「姫様、そんなものじっと見るんじゃありません! 目が腐ります!!」
モモもきっと、同じことを考えているだろう。
最後の最後に、最後だからなのか。
終わった……、と。
【終幕】