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Cross roads
第1章 Cross road 1
「ですかね。それに関しては父親に感謝しないと。父親らしい事が出来なかったって、僕に頭下げて謝って、その上で学校に行くメリットとか、自由って何なのかとか、結構現実的な話をこんこんと説かれました。今のお前の置かれた状況を思えば、このまま非行の道に走っても仕方がないと思う、お前がそうしたいならそれでもいい。ただ、長い目で考えろ、中学と高校に行けるのは今だけだ。中学は義務教育だから良いとして、大人になってから高卒の資格を取ろうと思えば取ることはできる。大学も行ける。ただ、それは今学校に通うよりずっとハードルが高い。個人的に学歴至上主義は如何なものかとも思うが、哀しいかな今の現実はそうだ。中卒と大卒では選べる職業からして変わってくるし、同じ仕事に就いてもギャラが違う。どんなに個人として能力があったとしても、だ。それを判断する人間の価値基準に学歴という項目が加わる事が多いのが今の現実で、それでスタートが変わる。評価が変わる。だから、父さんは中学、高校、出来れば大学までは出ておいた方がこの先の人生においてメリットが大きいと思う。それに必要な費用は出す。どうしたいかは自分で決めろ。悩んだ時は相談してくれ、いくらでも話は聞くし、一緒に考えよう、だが最終の決断を下すのはお前自身だ。これはお前の人生だから。と言われまして。」