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Cross roads
第1章 Cross road 1
俺の聞く限り、小学生の萩原くんはそのお父さんのシュールな話をきちんと理解できてたんだと思う。
やっぱり、アタマのいい子なんだろう。

俺は、飲むタイミングを失って、すっかり泡の消えたビールを一口飲んだ。俺が飲んだのに気付いて萩原くんが慌てる。

「すみません、変な話ばっかりして。ビール、気抜けちゃいましたね。交換してもらいます?」

「大丈夫だよ、一杯くらい。萩原くんの話聞けてよかった。」

萩原くんも炭酸の弱くなったビールを飲み、お通しの中華和えを摘む。
最初に適当に頼んだのは、サラダと出汁巻きと唐揚げで。唐揚げも少し冷めてたけど、凄く美味く感じた。

「やっぱビールと唐揚げ、美味いね。」

「本当。最高ですね。」

「萩原くんてさぁ、彼女とか、いるの?」

「そこ、聞いちゃいます?」

萩原くんはちらりと流し目でこっちを見た。
そんな顔もすごく絵になる。

「いやぁ、だってさ、萩原くん、男の俺から見てもカッコいいもん。背も低くないし、なんて言うか…そう、精悍だよね。」

「ありがとうございます。でも、彼女は居ません。」

「そうなんだ?モテそうなのに。」
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