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Cross roads
第5章 Cross road 5
「…お母さんと、会うの?」
会話の内容から察しがついたんだろう。美佳ちゃんが聞いてくる。
「会いたくないけど。」
「どうして?」
「どうしてって、俺を…俺と親父を捨てて他のオトコのトコに行ったヒトだよ?今更会って何話せって言うんだよ⁉︎アンタが、何も言わずに俺の前から突然消えたりしたから、俺は女のコを信用出来なくなったって言えって⁉︎」
「そう、言ってもいいと思うよ。多分、お母さんは自責の念に苛まれると思う。隆行くんが、そうさせてやりたいなら、そう言えばいい。お母さんは貴方を悲しませたんだから、貴方にも同じことをする権利はある。」
「…そんなの…」
俺は、言葉を飲み込んで、降ろしたままの拳を握る。
「やられたら同じことをやり返す、それを私は悪いとは思わない。ただそれは、コドモのやり方。子供の頃は、自分で気持ちを伝えなくても、親は無条件に愛してくれるはず。でも、親も人間だもの。何が一番大切なのか、見失ったり、見誤ったりする事もあると思うの。大切なものは、失って初めて気付くって言うじゃない。」
会話の内容から察しがついたんだろう。美佳ちゃんが聞いてくる。
「会いたくないけど。」
「どうして?」
「どうしてって、俺を…俺と親父を捨てて他のオトコのトコに行ったヒトだよ?今更会って何話せって言うんだよ⁉︎アンタが、何も言わずに俺の前から突然消えたりしたから、俺は女のコを信用出来なくなったって言えって⁉︎」
「そう、言ってもいいと思うよ。多分、お母さんは自責の念に苛まれると思う。隆行くんが、そうさせてやりたいなら、そう言えばいい。お母さんは貴方を悲しませたんだから、貴方にも同じことをする権利はある。」
「…そんなの…」
俺は、言葉を飲み込んで、降ろしたままの拳を握る。
「やられたら同じことをやり返す、それを私は悪いとは思わない。ただそれは、コドモのやり方。子供の頃は、自分で気持ちを伝えなくても、親は無条件に愛してくれるはず。でも、親も人間だもの。何が一番大切なのか、見失ったり、見誤ったりする事もあると思うの。大切なものは、失って初めて気付くって言うじゃない。」