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Cross roads
第1章 Cross road 1
「ありがとうございます。僕なんかまだまだですけど、そう言って貰えるのは嬉しいです。」
「ほらぁ…そういうソツのない受け答えがさ。なんてぇか、出来過ぎじゃない?俺25ん時そんなこと言えなかったよ?」
「….じゃ、祥悟さんなら、どう言いますか?」
「今なら萩原君と同じかも。でも昔は謙虚と否定を履き違えてたトコあるかな。それに、何やってもどうせ後ろにいる親父へのおべっかだろうって捻くれてたとこもあるから、大したことないですとか、そのくらいしか言えなかったと思う。」
「僕は…なんていうか、昔からこんな感じなんで。あんまり自分の思うこととか言わずに、ヒトの顔色ばっかり伺ってきたから、人に悪く思われないだろう物言いは得意なんです。姑息なんですよ。その性格が、社会人になって少し役立ってるのかな。」
萩原君が自嘲的に笑う。
「なんか、ワケありな感じだね。俺で良ければ聞かせて?」
「…誰にも話したことないんですよ。昔のことだし。でも、祥悟さんなら、大丈夫かな…この話聞いても、軽蔑しないでくださいね…」
お通しの、キクラゲの中華和えを箸でかき混ぜながら、萩原君がポツリと言った。
「ほらぁ…そういうソツのない受け答えがさ。なんてぇか、出来過ぎじゃない?俺25ん時そんなこと言えなかったよ?」
「….じゃ、祥悟さんなら、どう言いますか?」
「今なら萩原君と同じかも。でも昔は謙虚と否定を履き違えてたトコあるかな。それに、何やってもどうせ後ろにいる親父へのおべっかだろうって捻くれてたとこもあるから、大したことないですとか、そのくらいしか言えなかったと思う。」
「僕は…なんていうか、昔からこんな感じなんで。あんまり自分の思うこととか言わずに、ヒトの顔色ばっかり伺ってきたから、人に悪く思われないだろう物言いは得意なんです。姑息なんですよ。その性格が、社会人になって少し役立ってるのかな。」
萩原君が自嘲的に笑う。
「なんか、ワケありな感じだね。俺で良ければ聞かせて?」
「…誰にも話したことないんですよ。昔のことだし。でも、祥悟さんなら、大丈夫かな…この話聞いても、軽蔑しないでくださいね…」
お通しの、キクラゲの中華和えを箸でかき混ぜながら、萩原君がポツリと言った。