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桃色フラストレーション
第20章 台風の目 - 1
「勃たなくなってたから……抜いてないんだよな……。だから、その……、溜まってて……」
「あっ……そ、そうか……そうだよねそれどころじゃなかったもんねっ」
「うん……。なんか今急に……来た」
ほんと、急展開にドキドキがおさまらない。けど高崎くん本人も、予定外の急展開に戸惑い、焦っている様子で、物凄く照れているのが背中越しにもわかる。
「だってさ……、桃井、今ノーブラだろ……?谷間丸見えだし……、すっげー柔らかいから顔埋めてたらわかるって……」
ハッとする。そんなこと考えてもなかった。ていうか高崎くんがこんなすぐに復帰すると思ってなかったし。それにしても私も甘かったってことか……。
「悪い……不謹慎だよな……。ってかすげー恥ずかしい……何言ってんだろ俺」
本気で照れている様子の彼が可愛い、と思った。
「……仕方ないよ。ていうか私も私だよね……。でも台風で帰れないし……どうしようかこれから」

どうしようか、これから。

自分で発したこの言葉が、部屋じゅうに渦巻いてこだました。窓の外は変わらず激しい暴風雨。高崎くんも私も、この密室で、この悶々とした状態でもう一泊するんだ、ということを……、じわじわ実感し始めた。私は車の中での一連のことを思い起こしていたし、おそらく彼も……。
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