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桃色フラストレーション
第22章 台風一過
「……ライブやったら、行くよ」
「えっ?イク?イッちゃう?」
「ちょっと、もうっ!そのイクじゃなくて……!観に行く、って、」
「観て濡れてイクイク~~ってなってくれるんだ?」
「ねぇ違うってばぁっ……」
「まぁもうその時には俺は100人ぐらいのファンに囲まれてて、100人が俺のステージ観て濡らして行列作って、毎晩違う相手を抱いてるかもしれないけどな~?」
「あはは……いいじゃんそれ。よりどりみどり」
「100人抱いたら……、桃井より好きになれる子に出会えるかな?」
「え……」
ほら……、またこうやっていきなり真面目な顔になる……。そして顔を近付けてきて、キスされる……。言葉はないのに、好き……好き……って言っているような、甘い甘いついばむようなキス……。そして唇を離し、寂しげに呟いた。
「……俺はきっと、桃井が100人に抱かれたら、ベストテンにも入らなさそう」
「やだ何言ってんの……そんなこと……」
「もし俺がトップになれる時が来たら、その時は――、……いいや、やめとく」
ちょっと空気が重たくなってしまい、沈黙の中で食事をした。

精が果てるほどセックスしまくった日の終わりは、シャワーを浴びておとなしく添い寝。子どものようにすやすやと寝息を立てて私の胸で眠る高崎くんに切ない気持ちを抱きながら、私もぐっすり眠った。外は台風一過ですっかり晴れ渡り、新宿の夜空にはもう星が輝いていた。

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