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桃色フラストレーション
第24章 香港での再会
うまく声が出せなくて、コクコクと頷きながら足を運び、ドアが閉められた。スイートルームなんて初めてだし、お前の部屋だと言われても実感が湧かないし、それよりも何よりも……、半年以上会っていない、声も聞いていない光が……ここにいる。
「二泊でよかったんだよな?」
「は、はい……そうです」
「ちょ、お前何でさっきから敬語なの。緊張してガチガチだし。ずっとそこに立ってるつもりか?」
ドアの前から足が動かない。光と何を話せばいいのか、頭の中でいろんなことがグルグルぐるぐる渦巻いて……、言いたいことも言いたくないこともたくさんあり過ぎて……、ちゃんと会って話そう、逃げちゃだめだ、って決意してここまで来たのに、もう……逃げ出したい気持ち。
「あ……の……、」
声を出してみても、ガタガタ震えて何も言えなくて――、
「……千代……。会いたかった」
光に抱き締められた時、すべての感情が一瞬で溢れ出し、ボロボロ涙が流れ出した。
「ひか……る……」
会えただけで、抱き締められただけで……、こんなに自分の心が動くなんて……絶対にこの人しかいない。それを実感しながら、抱き締め返す。
「ばか……、何泣いてんだよ……」
「私も……会いたかっ……うっ……うぇぇっ……」
溢れる涙が止まらず嗚咽になってしまう。光のワイシャツを濡らしながら、しがみつく。
「……やっぱ無理にでも呼んでよかった。会うのが一番だ」
優しく温かく、その大好きな手が頭を撫でてくれる。あぁもう何がどうなってたって関係ない……、この人が大好き……!と強く思って胸の奥がかき鳴らされて、涙が止まらない。
「まいったな……、泣かすつもりじゃなかったんだけど……」
「ごめ……私も……なんで泣いてるのかわからないっ……」
「ん……。いいよ、気が済むまで泣いて」
その優しい手で、温かい胸で、私が落ち着くまで光は受け止めてくれていた。少し落ち着いて通されたその部屋の広さに、目を丸くする。
「すごっ……、こんな豪華な部屋……、どうして……?」
「まぁ、座って」
座るだけでも気が引けるような高級ソファに、テーブルを挟んで光と向い合せに腰掛ける。冷蔵庫から光が出してくれたミネラルウォーターをゴクゴク飲んで、私は言った。
「二泊でよかったんだよな?」
「は、はい……そうです」
「ちょ、お前何でさっきから敬語なの。緊張してガチガチだし。ずっとそこに立ってるつもりか?」
ドアの前から足が動かない。光と何を話せばいいのか、頭の中でいろんなことがグルグルぐるぐる渦巻いて……、言いたいことも言いたくないこともたくさんあり過ぎて……、ちゃんと会って話そう、逃げちゃだめだ、って決意してここまで来たのに、もう……逃げ出したい気持ち。
「あ……の……、」
声を出してみても、ガタガタ震えて何も言えなくて――、
「……千代……。会いたかった」
光に抱き締められた時、すべての感情が一瞬で溢れ出し、ボロボロ涙が流れ出した。
「ひか……る……」
会えただけで、抱き締められただけで……、こんなに自分の心が動くなんて……絶対にこの人しかいない。それを実感しながら、抱き締め返す。
「ばか……、何泣いてんだよ……」
「私も……会いたかっ……うっ……うぇぇっ……」
溢れる涙が止まらず嗚咽になってしまう。光のワイシャツを濡らしながら、しがみつく。
「……やっぱ無理にでも呼んでよかった。会うのが一番だ」
優しく温かく、その大好きな手が頭を撫でてくれる。あぁもう何がどうなってたって関係ない……、この人が大好き……!と強く思って胸の奥がかき鳴らされて、涙が止まらない。
「まいったな……、泣かすつもりじゃなかったんだけど……」
「ごめ……私も……なんで泣いてるのかわからないっ……」
「ん……。いいよ、気が済むまで泣いて」
その優しい手で、温かい胸で、私が落ち着くまで光は受け止めてくれていた。少し落ち着いて通されたその部屋の広さに、目を丸くする。
「すごっ……、こんな豪華な部屋……、どうして……?」
「まぁ、座って」
座るだけでも気が引けるような高級ソファに、テーブルを挟んで光と向い合せに腰掛ける。冷蔵庫から光が出してくれたミネラルウォーターをゴクゴク飲んで、私は言った。