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桃色フラストレーション
第1章 呼び覚まされて
「もうさぁー、昨夜も激しかった~!いっぱい上にならされちゃって足腰死にそう」
「……お疲れ様」
遥香ののろけ話は結構具体的で、ランチタイムには刺激が強すぎる。これのせいで呼び覚まされている部分もあるのかもしれない。
「千代さぁ、彼の友達紹介しようか?会ってみる気ない?」
「ないないない!そういうの苦手なんだよね」
遥香には、あの彼に抱いている欲望は、内緒だ。遥香はおろか、誰一人、私の中のこの欲望を知る人はいない。
「でもさ~うちの会社にいたら出会いないじゃん?エッチとかしたくならないの?」
「え、うーん……、もう、ほら、ずっとこうだし~慣れちゃったよ」
あっけらかんと踏み込んでくるタイプの彼女には、適当に誤魔化すしかない。遥香に何か言おうものなら、会社でおじさんおばさん達にあれこれ喋られてしまうんだから。
横目にチラチラと、見つめるだけの彼。名も知らぬ彼のことは自分の中で『王子』と呼んでいる。王子は今日は、会社の人達と三人で来ている。二人の時もあれば、四人の時もある。いつも小奇麗にしていて、スーツが良く似合う。たまに席が近いと声を聞いたり話している内容が少し耳に入ったり……、王子のことは本当に、それぐらいしか、知らない。
それだと言うのに……、
いったい私は今まで何度、王子とのことを想って自慰をしただろう。最初は初めて見かけた日の夜だった。どうしても彼の姿が目に焼き付いて、ときめくと言うよりもどうしようもなく欲情して、彼に抱かれることをすぐさま妄想した。それまでの数年は性欲そのものがあまり感じられず、こういうこともあまりしなかったのに……。
これは、恋じゃない。単なる性欲の対象。
私はそうハッキリと自覚していた。
こんなことは、誰にも言えない。
そして、カフェで王子を見かけるたびに、自分でしたことを想い出して身体が熱くなる。あの目で見つめられて、あの手で触れられて……、そんな妄想がどんどん膨らんでいって、セックスしたくてたまらなくなる。その欲望を、遥香はもちろん王子本人にも絶対に悟られないように、涼しい顔をしてカフェプレートをいただく私。そして夜、家で一人になると……、彼に抱かれる妄想をするのが日課になっていた。
「……お疲れ様」
遥香ののろけ話は結構具体的で、ランチタイムには刺激が強すぎる。これのせいで呼び覚まされている部分もあるのかもしれない。
「千代さぁ、彼の友達紹介しようか?会ってみる気ない?」
「ないないない!そういうの苦手なんだよね」
遥香には、あの彼に抱いている欲望は、内緒だ。遥香はおろか、誰一人、私の中のこの欲望を知る人はいない。
「でもさ~うちの会社にいたら出会いないじゃん?エッチとかしたくならないの?」
「え、うーん……、もう、ほら、ずっとこうだし~慣れちゃったよ」
あっけらかんと踏み込んでくるタイプの彼女には、適当に誤魔化すしかない。遥香に何か言おうものなら、会社でおじさんおばさん達にあれこれ喋られてしまうんだから。
横目にチラチラと、見つめるだけの彼。名も知らぬ彼のことは自分の中で『王子』と呼んでいる。王子は今日は、会社の人達と三人で来ている。二人の時もあれば、四人の時もある。いつも小奇麗にしていて、スーツが良く似合う。たまに席が近いと声を聞いたり話している内容が少し耳に入ったり……、王子のことは本当に、それぐらいしか、知らない。
それだと言うのに……、
いったい私は今まで何度、王子とのことを想って自慰をしただろう。最初は初めて見かけた日の夜だった。どうしても彼の姿が目に焼き付いて、ときめくと言うよりもどうしようもなく欲情して、彼に抱かれることをすぐさま妄想した。それまでの数年は性欲そのものがあまり感じられず、こういうこともあまりしなかったのに……。
これは、恋じゃない。単なる性欲の対象。
私はそうハッキリと自覚していた。
こんなことは、誰にも言えない。
そして、カフェで王子を見かけるたびに、自分でしたことを想い出して身体が熱くなる。あの目で見つめられて、あの手で触れられて……、そんな妄想がどんどん膨らんでいって、セックスしたくてたまらなくなる。その欲望を、遥香はもちろん王子本人にも絶対に悟られないように、涼しい顔をしてカフェプレートをいただく私。そして夜、家で一人になると……、彼に抱かれる妄想をするのが日課になっていた。