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桃色フラストレーション
第12章 不純と純情
「あッ……千代さんっ……気持ちいい……イイ……っ……あぁっ……」
小さな声で喘ぎながら彼は私の胸に触れる。けど私は自分が気持ち良くなることよりも、彼をめちゃめちゃに気持ち良くさせたいという欲望に支配されていた。
「アッ……あ……も……、出るッ……くっ……、あぁっ……あぁぁあああッ……、千代さん……イクよ、あぁいくっ……あ……ぁああああっ……!……っ……」
生温かい精液が口内にドクンと放出された瞬間、私も快感に包まれた。
「……っ……、こんな……、……ヤバいよ千代さん……」
まいった、という表情の彼は、それでも満足そうにしている。私は飲み干し、口を離した。
「……いっぱい出たね」
「飲んだ……んですか」
「うん。なんか……私が襲っちゃったね」
「いや、その……嬉しいです」
うれしいです、と言う時の彼が本当に恥ずかしそうで、もっともっと喘がせたくなる。けれどバスルームのドアが開く音がした。そろそろ身支度をした2人がリビングに戻ってくる……。
「お風呂、終わったみたいだね。じゃあ隣の部屋に戻るから」
「あぁ……はい」
名残惜しそうな表情が可愛い。
「……今の、内緒ね?」
「はい……」
遥香と亮太に気付かれないように――もちろんこちらがしていたこともだけど、起きてしまっていてあちらの情事が聞こえてしまっていたことも――、私は隣の部屋に戻り、扉を閉めて元通り横になった。純くんも、ずっとソファで寝ていたふりを装った。

……なんで衝動にかられてあんなことをしてしまったのだろう。私は好きな人としか身体の関係を持ちたくないはずだった。なのに大して知りもしない純くんに……欲望が抑えられなかった。まるで男性から女性への欲望のように、抑制せずに襲ってしまった……。光と会えなくなっていること、おそらくアヤノさんと光が今この時も激しくセックスしまくっているであろうことが……私の何かを壊した。

純くんをもっともっと恥ずかしがらせたい、よがらせたい、喘がせたい、イカせたい……。そして……求められたい。

さっきまで私の手のひらや口の中にあった彼のペニスを挿れることを思い浮かべながら、私はこっそり自慰をした。さっきの行為によって物凄く濡れていた下着の中は、すぐに絶頂を迎えた。
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