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歪んだ愛を。
第6章 俺と薫が出会ったきっかけ 葵side

俺はふと思った、
どうやって出会ったんだっけ?
*
それは数年前──。
真夏の暑さに耐えかねて
俺はふらっと私立図書館に入った。
本なんかまったく興味無い。
ただ暑かったから、図書館は涼しいから
それだけの為に入ったんだ。
古びた本や新刊の本などが並ぶ本棚の
間をただ適当に本を探す振りして歩き回る。
でも図書館の匂いっていいもんだな。
あ、2階にも本棚あんのか。
そう思って俺は二階へ続く階段を登った。
あ、1階が見えるのかここ。
1階から吹き抜けになっていた
葵は退屈そうに2階から一階の真ん中に
並べられた机を見た。

