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×アリエナイカノジョ×
第7章 トマドイの一コマ
正行を目で追っていると、水道に居た女子の傍で立ち止まった。
ドキッとする。
体を反転させた女子が正行と正対する。
「…紗英………」
小柄な体型と髪型、短すぎるスカートで分かった。
お尻が見えるか見えないかギリギリのスカートなんて紗英以外には居ない。
話し掛けている正行を見ているとモヤモヤする。
紗英の事を考えてと言ったのはアタシ。
きっと、正行は何か考えがあって話し掛けた筈。
そう思いたい。
二人の距離が、アタシと正行が並ぶ程に近い。
アタシなら恥ずかしくて思わず手が出そうな距離。
ざわめく。
心の中がモヤモヤする。
何で正行は距離を空けない。
何で紗英はあんなに近付く。
何を話しているかなんて聞こえない。
アタシが頼んだ事をしてくれていると思い込みたい。
「…ダメだ」
分かっていても見ていられなかった。
窓を開けた儘、教室を飛び出した。