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第9章 ◆ Scene01

　
　異様に良くなった視力で紗英を見詰める影人の体が硬直した。

「んふうっ…ふうっ……」

　熱い吐息と共に、鼻息を荒くさせている紗英の姿。

　左手が短いスカートの中へと潜り込み、ブラウスの間から差し込まれた右手が忙しなく動いていれば仕方のない事だった。

「んはぁ…こんなトコで…ダメ……なのにぃ………」


…それはこっちのセリフだよっ…


　呟く紗英の小さな言葉に、突っ込まずにはいられない影人。

「んはぁっ…でもぉ…止められ…なぁい………」

　依然として窓から教室を覗きながら、両手を忙しなく動かし続ける紗英。


…あの教室で…何が………


　学校でオナニーを始めている紗英が覗く教室。

　当然、影人の興味はそこへも向く。

「んはぁっ…あぁっ……も、もぅ……こんなにぃ………」

　しかし、それよりも、艶めかしい声を洩らす紗英の姿の方が気になる。

　僅かな距離を置いて痴態を晒している紗英から目が離せなくなっていた。