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×アリエナイカノジョ×
第10章 ◆ Scene02
「全く…アイツは………」
一人ブツブツと不満を溢しながら歩く。
ストレートで肩までの長さの、明るい茶髪を靡かせて歩く小麦色の健康的な肌をした彼女。
紗英と同様に擦れ違えば人目を惹く程の容姿を持った美穂だったが、不機嫌を全面に押し出す表情を浮かべていた。
「…だからさぁ」
「うっそぉっ。だったらさぁ、今度ぉ………」
紗英と別れて校門を通り過ぎると、数メートル先に正行の姿を見付けてドキッと胸を弾ませたのも束の間だった。
その隣には腕を絡めて親しげに話し掛けている女子の姿が有った。
それに対して、正行も満更でも無い様子で見下ろしながら会話を続けて歩いていた。
「アンタは男に興味あるんじゃないのぉっ?
大体、あの女は何処の女なのよっ。アタシだって腕なんて組んだことないのに………」
声を掛ける事など出来ずに、一定の距離を置いてブツブツと言葉を吐き出しながら着いていく美穂だった。