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×アリエナイカノジョ×
第10章 ◆ Scene02
「だ、第一、アタシは何とも思ってないわけだし、アッチだってアタシに気があるわけじゃ無くて、紗英に気があるわけだし、アタシが仮に…仮にそうだったとしてもアタシに勝ち目は無いわけだし。それにアタシは正行のほ………」
はたと気付く。
薄井がそうで有るように、仮に正行も実の所、紗英に意識が向いているので有れば自身に勝ち目はないと。
視線が落ちる。
黒い翳りと同時に、豊満な部類に入るである筈の双丘が映る。
僅かに沈色した乳輪と小指の先ほどの乳首を隠していたのを知らしめるように、三角形の日焼け跡を残した撓わな胸。
見る者からすれば艶めかしさを存分に覚える。
「まさか……そんな事は…無いよねぇ………」
いくら艶めかしい姿態をしていても、紗英には勝てないという劣等感が不安を増幅させていった。
かと言って、正行に真意を訊ねる度胸は生まれてこなかった。
「はぁ………」
ちゃぷんとお湯が跳ねる音と、美穂の溜息が混ざり合った。