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第12章 ◆ Scene04

　
　距離を置いた美穂の態度に鼻を鳴らして背を向けた女子。

　数歩進んだところで振り返ると、ニヤッと口角を上げた。

「あぁ、そうそう。…アンタのお友達の……ムダにバカでかい胸のちびっ子………。
　今頃どうなってるかしらね」

「えっ!?　な、何よ、それっ!?」

　見当たらない事に今更気付いた美穂。

「そう言えば、さっき耳打ちしてなかった？」

　正行が向ける視線も鋭くなる。

「あぁんっ。そんな視線…ゾクゾクしちゃう」

　女子は我が身を抱くように腕を絡ませて、クネクネと体を揺らす。

「巫山戯ないでよっ。紗英に何かしたらただじゃ済まないからねっ!?」

「あーら、怖い怖い。でもぉ、アタシはなぁにもしてないわよ？　アタシはね」

　のらりくらりとした受け答えに、美穂と正行の苛々感は募っていくだけだった。


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