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×アリエナイカノジョ×
第13章 ◆ Scene05
「はぁ…やっぱり………」
パタンと携帯を畳んで嘆息する。
周りからはスマホに変えればと言われ続けながらも、頑なに愛用している携帯を使い続けている紗英。
そこにURL付きのメールが送られ、それを観れば案の定だった。
メールに記述されたパスワードを入れれば、視聴覚室で淫らによがる紗英の動画。
機種のせいか、全てが再生されなくとも、最後まで撮られているのは安易に想像できていた。
「うあぁ………」
屋上の片隅でフェンスに背中を預けて蹲る紗英は、あの淫靡な出来事を一部始終思い浮かべて、羞恥に頭を抱え込んでいた。
…ホントに…ばらまかれてないよね…
羞恥と同時に湧き上がる不安。
動画の下には小さく再生回数が表示され、観る度に数字は一つずつ増えていた。
これだけを見れば、自身が数字を増やしているだけだと軽く安堵するものの、次々と不安は湧いてくる。
…もしかしたら…紗英が知らないだけで…他にも……
考えれば考えるほどキリが無い。
そして思い詰めると、カラダを許した自身に自己嫌悪を覚えるのだった。