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×アリエナイカノジョ×
第2章 この一コマ
 
 数瞬間の出来事に、鼻が熱くなった。

「…まさか…な…」

 正行の驚く言葉に、頷くしか無かった。

「結城の水玉もなかなかだったが………」

「皆まで言うな………」

 しっかりと網膜に焼き付いた光景。

 まさかの黒い紐パン。

 柔らかそうなお尻が丸出しだった。

「ぷりんぷりん」

「お、おい………」

「ぷりぷりお尻とむちむち太腿………」

「お、おいってばっ」

「我が人生に一片の悔いは…ぐはっ」

 光景を繰り返し思い浮かべていたのに、鋭い衝撃で現実に引き戻された。

「興奮するのは分かるけどよ、あんまり声に出してると…」

「声に出してると?」

「そりゃ、バレちまうに………」

「ふぅん?」

 正行は誰と会話をしてるんだ。

 一言も言葉を発した覚えはない。

「え、えっと………」

 それに気付いたイケメン。

 ギギギと音が聞こえそうに首を振る。

「あ……。これ…ダメなパターンだ………」

 正行が呟いた言葉を聞いた瞬間、ボクの意識も無くなっていた。
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