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第5章 カノジョたちの一コマ

　
【紗英 View】

「絶対に完成させてやるんだから……」

　ブツブツ呟いてる美穂ちゃんを白い目で見るのは悪くないと思う。

　頭にたんこぶが出来ているのに全然懲りてない。

「…今度は………あんな事……いや……こっちも………」

「えいっ」

「ぐふっ！
　…ちょ、ちょっとぉっ！　そんな可愛らしく言葉出しといて、威力ハンパないんですけどっ!?」

　殴られた脇腹を押さえて涙目。

　紗英は悪くない。

「…煩悩退散」

「………露出症のマゾっ娘の癖に……」

「むぅ………」

　性癖が思い切りバレた今、何も言い返せなかった。

　美穂ちゃんの巧みな話術に乗せられた自分が恨めしい。

「…美穂ちゃんだって…妄想癖あるくせに…」

「でも、紗英の性癖に比べたら可愛いもんでしょ？」

　美穂ちゃんのドヤ顔がムカムカと来る。

　可愛らしいけど小憎たらしい方が強い。

「むむぅ………」

　拳を握った右手を引く。

「うわわっ！　ちょ、ちょっと待っ………あれ？」