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×アリエナイカノジョ×
第5章 カノジョたちの一コマ
 
 慌てたと思ったら、不意に視線を外した美穂ちゃん。

「ん?」

 不本意ながら、美穂ちゃんの視線に合わせて顔を向ける。

 視界の先には、先を歩く男子の後ろ姿。

 美穂ちゃんと紗英の様な、大柄と小柄の凸凹コンビ。

「おぉいっ」

 通学路だというのに、途端に大声を張り上げて腕を振る美穂ちゃん。

 当然、その二人がその声に振り返る。

「あ………」

 大きい方の男子は、美穂ちゃんが時々話しているのを見掛けていたから分かる。

「何だって…デカい声出すなよ」

 気怠そうな雰囲気を醸し出す、ツンツンヘアの大柄な男子が近付いてくる。

「まぁまぁ、気にしない気にしない」

 その男子の肩をバンバン叩いてる美穂ちゃんの隣で、思わず顔が赤くなるのが分かる。

 美穂ちゃんが書いたえっちな小説に勝手に出された男子。

「相変わらず、今日も大きいねぇ正行」

「そう簡単に身長が伸び縮みするかってぇのっ」

 あの後の展開を思い出したら、更に顔が熱くなってきた。

「あ、あの………」
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