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×アリエナイカノジョ×
第6章 ホンネの一コマ
【薄井 View】
いきなり走り出しだ葉山さん。
小さな背中を見失わないように追い掛けた。
意外と足が速く、運動が苦手なボクは直ぐに息が切れた。
それでも追い掛けた。
「…はぁっ……はぁっ……は、葉山…さん………」
漸く立ち止まったかと思えば、樹に寄り掛かって座り込んだ。
「はぁ……はぁっ……」
膝を立てて座り込み、俯く葉山さんからも荒い吐息が聞こえる。
ふと振り返る。
先生たちを見掛けたのはかなり先。
約一キロ以上の全力疾走。
体育でも無理だった距離を走りきっていた。
息切れがなかなか収まらないのも当然だった。
川から流れ込んでくる冷たい風が、熱く火照った体を冷やしてくれる。
「はぁっ…はぁっ………」
少しばかり呼吸が落ち着いてきたところで、再び視線を葉山さんへと向けた。
「………っ!?」