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パズル
第18章 別離と邂逅
通夜は金曜日の夜、葬儀は翌土曜日だと連絡をもらった。
会社では何とか取り繕ったけど、1人になった瞬間、虚無感が波のように押し寄せて、一瞬意識を攫われる。
夜晃一を迎えに行き、お父さんと夕飯を頂きながら、ついつい溜息を吐いてしまった。
「何かあったのかい?」
「…大学時代の友人が…事故で亡くなったんです…今週の土曜日、葬儀があるので、晃一をお願いできますか…?」
「…そうか。若い命が逝くのは…居た堪れないな…親御さんも気の毒なことだ…」
お父さんも深い溜息を吐く。
俺は言葉もなく、頷いた。
夜、晃一と風呂に入る。
湯舟でぼんやりしていたら、膝をくるくると撫でられ、ハッと我に返る。
「おとうさん?イタイのイタイのとんでけっ!」
晃一が小さな手で、一所懸命俺の膝を撫でていた。俺があまりに沈んでいるから、どこか痛いと思ったようだ。
「ありがと、晃一…でもね、痛いのそこじゃないんだ…」
「じゃ、どこ? ぼくがいっぱいとんでけしたげるからね!!」
「ここ、かな…」
みぞおちのあたりを指さすと、手を伸ばして撫でられる。
さすがにくすぐったくて、ちょっと笑ってしまった。
会社では何とか取り繕ったけど、1人になった瞬間、虚無感が波のように押し寄せて、一瞬意識を攫われる。
夜晃一を迎えに行き、お父さんと夕飯を頂きながら、ついつい溜息を吐いてしまった。
「何かあったのかい?」
「…大学時代の友人が…事故で亡くなったんです…今週の土曜日、葬儀があるので、晃一をお願いできますか…?」
「…そうか。若い命が逝くのは…居た堪れないな…親御さんも気の毒なことだ…」
お父さんも深い溜息を吐く。
俺は言葉もなく、頷いた。
夜、晃一と風呂に入る。
湯舟でぼんやりしていたら、膝をくるくると撫でられ、ハッと我に返る。
「おとうさん?イタイのイタイのとんでけっ!」
晃一が小さな手で、一所懸命俺の膝を撫でていた。俺があまりに沈んでいるから、どこか痛いと思ったようだ。
「ありがと、晃一…でもね、痛いのそこじゃないんだ…」
「じゃ、どこ? ぼくがいっぱいとんでけしたげるからね!!」
「ここ、かな…」
みぞおちのあたりを指さすと、手を伸ばして撫でられる。
さすがにくすぐったくて、ちょっと笑ってしまった。