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パズル
第2章 報告
「その点は、否定できません。でも、私は順一くんより歳上だし、子供を産むならなるべく早いほうがいいと思ったの。順一くんが、結婚を考える頃には、私は多分30超えてるし。この人、家族の縁が薄い、って。私、彼と家族になりたかった。彼の子供を生んで、新しい家族を作ってあげたかったの。」

震える声で瞳が訴えた。

俺より、全然シッカリしてる。
さすが、歳上。

「家族の縁が薄い、とは、どういうことだ。私はできれば彼の親御さんとも話をしたいと思っているんだが。」

やっぱりきた。
俺はもう一度深呼吸をし、腹を括った。

「それは、ちょっと…。僕のウチは、両親が離婚しています。父親は再婚していて、別の家庭がありまして。大学の学費や生活費なんかは援助してくれましたが、もう3年以上会っていません。それと、母は、一昨年亡くなりました。」

お父さんは眉間にシワを寄せたまま、重い溜息をつく。

「兄弟や、身近に親戚はいないのか。」

「母の、親族はいないと思います。母には兄弟がいませんし、祖父母も僕が小さい頃に亡くなりました。…父の親族とは、付き合いがないので連絡先もわかりません。」

「君に、兄弟はいないのか。」

「2つ下に弟が居ましたが、3年前、事故で亡くなりました。」

「…天涯孤独、というわけか…」

お父さんに言われて初めて。
そうか、俺って天涯孤独なんだ、と気付いた。
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