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パズル
第19章 契約
「だけどそれって、契約になるの?その言い方じゃまるで、出来ることだけして、あとは家に居れば養ってやるって言ってるように思えるんだけど。そんな内容で、あなたにどんなメリットがあるの?」

俺は、ふっと笑った。

「そうだよ。誰かにいて欲しいんだ。夜、明かりのついた家に帰って来たい。誰かの声のする家に帰って来たいんだ。」

「…あなたと私…似てるわね…私も…家族を亡くして、早く家庭を作りたかった…」

彼女が震えるように呟き、その大きな目に涙が浮かぶ。
そのままつぅっとひと筋頰に伝う。

「そうか…だから、放っとけないのかもしれないな…」

お互い、コーヒーとホットミルクを飲み、契約を交わした。
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